牛の熱中症と応急処置について

牛の熱中症対策と応急処置 予防

《CowPlus+通信 Vol.1》
お役立ち情報配信の第一弾は、「牛の熱中症対策と応急処置について」です。

暑すぎる夏、牛たちの熱中症対策は完璧ですか?

実は、牛が快適に過ごせる気温は、
乳牛→5〜20℃
肉牛→5〜25℃

といわれています。

熱中症になってしまったとき、獣医師が到着するまでの間に適切な応急処置ができるかどうかで、その後の救命率が大きく変わります。ぜひ応急処置のポイントも知っておいてください。

〈暑熱ストレスによる牛への影響〉

・乳量の減少
・採食量の低下
・繁殖成績の悪化
・死廃率の上昇

〈熱中症対策の例〉

・屋根への散水、石灰塗布
・断熱シートなどの活用
・扇風機の積極的な使用
・密飼いを避ける
・敷料交換の頻度を少なくする
・水槽をキレイに保つ
・重曹入り鉱塩の設置
・ナイアシンやビタミンE入りの強肝剤添加


※特に見落とされがちな、西日対策も重要です💦

〈熱中症の症状〉

・呼吸が速い
・よだれが多い
・食欲、元気低下
・発熱 など

〈応急処置方法〉

熱中症かも?と思ったら、獣医師への往診依頼と同時に応急処置を始めましょう!
大切なのは、「体を冷やす」「水分補給」の2点です。

体を冷やすときには、水道水をかけ続ける方法が最も有効です。
数分おきに氷水をかけるよりも、水道水をかけ続けるほうが早く体温を下げることができます。(水道水はぬるくてもOK!)
だいたい10〜15分ほどかけ続けると効果的です。
(もちろんできるだけ日陰など涼しい場所で行ってください。)

飲水欲がある場合には、水でも電解質(カーフライトなど)でも良いので、飲めるだけ飲ませてあげましょう。

熱中症を予防しながら、ぜひ楽しい夏をお過ごしくださいね。

MERI writing lab

【代表・獣医師】MERI:松村 恵里 [ MERI writing lab ]

【経歴】北海道農業共済組合で獣医師として7年勤務したのち退職。2023年4月からWebライターとして活動中。診療経験は牛(乳牛、肉牛)、馬(サラブレッド)。猫2匹と暮らす1児の母。

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